温泉用水中ポンプの型式は“OPDH4W-50-7.5-64（7.5kW）”を450mに設置、より良い泉温･泉質を確保するためにポンプ下からストロー管を1,000m吊下げました。
　使用した揚湯管はFRP製で、日立造船㈱グループである日立造船コンポジットマテリアル㈱製“HZCM FRP Pipe”です。トータル約1,500mを吊下げましたが作業はスムーズに進みました。

　本設前の揚湯試験の際、鋼管にて温泉ポンプを設置、ストロー管無しの状況で、泉温の上昇が2週間程度掛かったものが、FRP製揚湯管とストロー管を設置する事で、掘削を手掛けた藤田ボーリング様による工夫も手伝い、泉温は3日程度で上昇、HZCM FRP Pipe の保温効果が実証されました。
　また、1,500mの地底付近から直接吸い揚げる事で温泉成分もより良くなり、温度も3℃以上上昇し、御施主様には大変喜んでいただく事が出来ました。

　制御盤に関しましては、弊社の最新型を初めて設置させていただきました。
　特徴として、液晶画面の採用で、電圧・電流・流量・泉温・水位等、運転状況が一目瞭然で確認できます。また、タッチパネル式なので安易に運転指令や設定調整ができます。
今後、管理を重要視する温泉井戸用制御盤のスタンダート製品ですが、もちろん清水井戸にも使用できます。

　こちらの源泉は現在、温浴施設はございません。管理する㈱十里木温泉 伊藤様のお話ですと、温泉は別荘地十里木の配湯を中心に、今後は飲泉としての利用などをお考えのご様子です。詳しくは直接お問い合わせください。
　近隣には富士サファリパークやスノータウン Yeti があり、御殿場プレミアム・アウトレットや御殿場高原ビールからも立ち寄る事ができます。
　ユネスコ世界遺産登録名称「富士山－信仰の対象と芸術の“源泉”」の地域に含まれる十里木の地底1,500mから直接汲みあげた“源泉”を堪能してみたいものです。