佐賀県にある嬉野温泉は日本三大美肌の湯として有名です。
また地下20~30m程で95℃の温泉がでて、湯の花がほとんど出ないという全国的にみても非常に珍しい温泉になります。
2022年秋に九州新幹線の新駅「嬉野温泉駅」が開業される予定ですので、益々多くの人々が訪れる温泉地となります。
今回、加圧ポンプ(e-SV)をご採用頂きました嬉野温泉配湯株式会社 取締役社長 小原嘉文様にお話を伺ってきました。
嬉野温泉配湯株式会社様は、嬉野温泉一帯の200軒以上の飲食店や一般家庭、約30軒の温泉旅館に源泉を配管を通して配湯していらっしゃいます。
設置に至った経緯を教えていただけますでしょうか?
これまではポンプで地上18mの貯湯槽まで汲み上げて自然落下で配湯してきましたが、佐賀大学との温泉温度差発電プロジェクトで地上に貯湯槽を設置することになり、配湯方式を加圧ポンプ(e-SV)へ変更することになりました。
佐賀大学のプロジェクトは、海洋エネルギー研究センター池上康之センター長の海洋温度差発電の研究を温泉で応用したいというところから始まりました。
温泉水から10℃相当の熱源を取って、沸点の低いフロン系の流体を沸騰させてタービンに送り込み、タービンを回転させて発電します。
タービンで発電した後の流体を蒸気の状態から冷やして液体に戻し、またポンプでタービンに送ることを循環させることによって、安定的に電力を取り出す仕組みになっています。
結果、温度は10℃程度下がりますが、嬉野温泉の源泉は95℃と高く問題はありません。
また、プラントに直接温泉が入る訳ではないので泉質も変わりありません。
最終的には24時間発電で、隣接する豊玉姫神社の街灯も照らしていきたいと思っています。
現在、発電プロジェクトは60%位完成していて稼働は昼のみで佐賀大学の先生が常駐されています。
取り入れた感想を教えていただけますか?
当初、配管は50年くらい使用している土管もある為、配湯圧力を上げると破裂しないか心配でしたが今の所大丈夫で安堵しています。
お客様に配湯が止まるのが一番の問題ですが、2台交互運転なので安心しています。
今後の嬉野温泉について教えて下さい。
嬉野温泉はこれまで歓楽型温泉街のイメージが強かったですが、今後は温泉発電事業を積極的にアピールし、企業の研修旅行や学生の修学旅行など、施設見学を組み込むことで最先端のエネルギーシステムを学べる場として、町の活性化や嬉野温泉のブランド力UPにつなげて行きたいと思っています。
何かご要望などございますか?
嬉野温泉は湯の花はほとんど出ませんが、温度が95℃と高い為耐熱仕様のものを探すのが大変です。ぜひ、専門家の立場からアドバイスやデータをご提供してほしいです。
また、トラブルがあった時にはすぐに直せるようにメンテナンス体制を考えてほしいと思います。
以上ありがとうございました。
※加圧ポンプ(e-SV)の製品情報はホームページに掲載されておりません。ご興味のある方はお問合せ下さい。
配湯した温泉をご利用している和楽園様